看護マニュアル重視の病院で働き続けるリスクの目次

多くの病院で「看護マニュアル」があると思います。特に新人看護師、転職してきた看護師などは臨床現場の実践において病院の看護マニュアルで基本手順の取り決めを学ぶことができるため役立ちます。

一方でマニュアルに頼りすぎると思考が停止し、看護師にとって重要な状況判断ができなくなるリスクも存在します。

このページではマニュアルの活用方法と偏ったマニュアル重視に陥ったときのリスクについて説明をしています。

看護マニュアル重視で働くリスク

CT(コンピューター断層撮影法)

病院の体質で変化を好まない傾向がある病院があります。これは何も病院に限った話ではなく、日本人全体に言えることかもしれませんね。

特に何十年も同じ病院で働き、同じやり方をしていると「それが当然で当たり前」になりがちではないでしょうか?

そうなると仕事がルーチン化し作業になっていると感じて病院を去る看護師は少なくありません。

ある意味でその選択は間違っていないでしょう。仕事がルーチン化すると将来的にリスクが大きいく、「考えることができなくなる」ため場面場面で対応できない看護師になる可能性があるからです。

つまり、看護マニュアル重視で働くリスクとは「状況判断ができない看護師」になることです。

最も最悪なのがルーチンワークに対して居心地が良くなること。そうなると改善することが嫌になり、最初はルーチンワークに対して嫌悪感をもっていても環境に慣れてしまいます。

考えることができなくなった看護師はどうなるか?

他の病院で通用しなくなり、仮に転職で給与アップをしたいと思っても難しくなりますし、結婚や出産で退職し数年後に復帰したときに辛い想いをするでしょう。

マニュアル=NGではない

看護マニュアル(※)は本来は非常に意味のあるもので、新人看護師や転職してきたばかりの転職組の看護師にとって病院の看護手順を学ぶ上で非常に役立ちます。

病院全体で一貫性のある行動をとれるようになりますし、看護師に関することを覚えるために新人時代には役立つでしょう。

ルーチンワークになる病院がある一方でマニュアルを活用しつつ状況によってマニュアルに頼ることなく看護ケアをする病院もあります。

つまり「マニュアル=悪い」ではなく、使い方が間違っている病院があるということになります。

※ここでの看護マニュアルは委員会などのマニュアルではなく臨床現場で利用する看護技術マニュアルです

看護マニュアルの正しい使い方

看護マニュアルを使うときに重要なことは覚えるではなく理解することにあります。

手順を覚えるのではなく「なぜこの手順なのか?」を理解する必要があるのですね。例えば、静脈注射でへパリンのロック用にキットを使う理由は何なのか?血液培養でボトルを2本使うのは何故か?など手順の意味まで理解しなけばなりません。

手順の意味が分からなければ思いもよらないハプニングが発生したときに臨機応変に対応ができなければ患者さんのケアはできません。

手順のやり方が毎回正しいのではなく、患者さんの状況に応じて対応しなければ”看護師”とはいえません。

看護職として働くなら患者さんのことを考え、状況判断を正しくできる力を身につける必要があります。

マニュアル重視の病院を辞めた2人の看護師

看護師の日々の仕事がルーチンワークになり、自分のキャリアに悩み病院を辞めた二人の看護師の体験談を紹介します。

若い看護師さんは同じ境遇で悩んでいることも多いため参考になると思います。

大規模病院の看護マニュアルに嫌気

転職後、働いてみると非効率だと感じたり、別のやり方の方が患者さんにとっても良いと思うことが何回もありました。

ただ転職したばかりということもあり、まずはこの病院のやり方を完璧に身につけようと思いました。

転職をして6ヶ月が経ったころに辞めようと決意しました。そのキッカケとなったのが新しい職場(病院)にも慣れてきたといき私は改造した方がいいことを主任看護師に相談をしました。

「今の方法だと非効率だと思います。この方法だと効率的で、理解しやすいと思うのですが、どうですか?」すると主任看護師は、「看護マニュアルどおりにやれば大丈夫だよ。」と言い放ちました。

この主任看護師は5年間も同じ病院で、同じやり方でやってきた看護師。改善しようとか、直そうとか、そういった考えがなくなっているんだなと感じました。

別のやり方が良いと思っても、決まりきったやり方を通そうとするんだなと思いました。これではただのルーチンで仕事ではなく作業だなと感じ、ステップアップするためにもその病院を退職いたしました。

患者さん優先ではなく自分優先で働く先輩看護師

1年目は忙しさのあまり日々の業務をこなすことでいっぱいいっぱいでした。3年目になり、ようやく余裕を持って働けるようになってから色々と疑問に思うことが増えてきました。

例えば、夜勤のときは当然看護師が少ないのですが、患者さんに必要なケアだと思って先輩看護師に相談しても先輩看護師は「じゃー日勤のときに●●さんにやってもらおう」と必要なケアであっても、看護師が少ないことを理由にしてやりません。

これはこの先輩看護師だけでなく、病棟全体の看護師に言えることでした。この病院では、「患者さん優先ではないんだな、看護師の都合や自分優先で働いているんだな」と思うとショックでした。

もっと患者さんと向き合えるところで働きたいと思い始めたキッカケでした。

仕事の改善を言い出すリスク

マニュアル重視の病院なら「そのことを指摘すればいい」と考える人もいるでしょう。

例えば、同じ病院で勤務年数が3年以上あれば、仕事の業務改善を訴えても周りとの信頼関係ができているため問題ないでしょう。

しかし、転職したばかりの看護師や入職1~2年目の看護師が改善を訴えるとどうなるでしょうか?

他の看護師から煙たがられたり、病棟の人間関係によってはいじめの対象になる可能性もあります。

なかには改善を訴えたところ「そんな事は良いから看護手順どおりにやって!」と強く言われたという看護師さんもいます。

これは年齢や役職が上の看護師の考えが大きく影響します。役職が上の看護師が日々の改善に取り組んだり、看護師同士で議論をしている病棟でなければ、環境は変わらないです。

自分ひとりが頑張っても改善はされません。

ドラマのように一人でもやれれば良いのでしょうが、現実はそんな簡単ではありません。それならば環境を変えて働くしかありません

もしも前述の若手看護師のように転職をするなら重要になるのが「看護師長の考え」や「病棟の方針」です。また、教育方針を確認することも重要であるといえるでしょう。

転職の情報収集においては二つの点を必ず確認をするようにしてください。

自分のキャリアに悩む年齢

仕事のルーチン化に悩んだり、感じたりする年代は新人看護師よりも仕事に慣れ始めた3年~5年目が多いです。

新人のころは仕事に慣れる忙しさがあったり、環境の変化や夜勤など忙しさのあまり感じることは少ないかもしれません。

2年目は新人の指導でこれまた忙しい。そのため少し落ち着いてきた3年目に感じる人が多いです。

病院によっては3年目はプリセプターで更に忙しい人もいますが(笑)

いずれにせよ今の病院の環境を変えるには上が変わらない限り期待出来ません。

ルーチンワークのない病院を探す方法

今の病院でルーチンワークに嫌気が指しているなら職場を変えることが最善策です。

立場的に上の役職であれば手をうつことはできますが、一般職員の立場であれば今の職場の状況を変えることは不可能でしょう。

マニュアルが最重要視されるのではなく、ひとりひとりの看護師が責任を持ちつつもチーム医療で連携できる病院で働くと想像以上のスピードで成長できます。

特にこの先も看護師として働き続けるのであれば、そのような病院を探し、働くことで将来的な収入にも満足できるはずです。

そのような病院を探すには、

  • 師長や部長の思考を知る
  • 病院の教育方針を調べる
  • 職場の雰囲気(意見をいえるか?)
  • 残業が極端に多くないか?

を調べる必要があります。看護協会やハローワーク、求人サイトを利用して情報を集めるようにしてみましょう。

特に求人サイトではコンサルタントが病院情報には精通しているため一度確認をすると見つけやすくなります。

やりがいを見つけるためのヒント

看護師としてやりがいは非常に重要なことです。業務量も多く、プレッシャーの強い看護師の仕事は体力だけでなく「気持ち」が何よりも大切になります。

だからこそ「仕事でやりがい」をみつけることは大きな意味があります。仕事のやりがいが見つからなくて悩む人も多いでしょうが、やりがいは働く職場の環境が大きく影響します。

職場環境が影響する

  • ルーチンワークばかりの業務
  • 忙しくて休む暇もない職場

では「やりがい」をみつけることは難しいです。どちらも共通していえることは”考える暇すらない”ということです。

看護師としてのやりがいは、やはり「患者さんにありがとうと感謝されたとき」というのが多いでしょう。

しかし、ルーチンワークばかりや忙しくて満足な看護ケアができていないと感じていれば、いくら患者さんに感謝をされても心のどこかで「もっとできたのに」と思うはずです。

看護師としてやりがいをみつけるためにも、患者さんの容態をみながら判断ができる職場で働くことをおすすめします。

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