看護師を辞めるその前に。

現在、看護師を辞めようか悩んでいる全てのナース達へ贈る手紙です。

辞める決断をする前に少しだけ時間をください。

まずあなたにお話しておきたいことがあります。
それは看護師を辞めた約8割のナースが「看護師に復帰をする選択」をしている事実です。

これは何を意味しているのかをお話します。

看護師はしんどい仕事です。
体力的にもそうですし、精神的にも非常に辛く過酷な仕事です。

辞めた看護師の多くも、

  • 残業が多すぎてプライベートな時間がない
  • 休みが好きなときに取れない
  • 夜勤で生活リズムが不規則になる
  • 先輩や同僚との人間関係が上手くいかない

その他にもいじめや派閥、仕事そのものへの嫌気など辞めた理由は様々です。共通することは何かしら不満や嫌なことがあって辞めています。

それにも関わらず看護師として復帰をするのです。

給与の問題で復帰をする

復帰をする一番の理由は「給与」です。
看護師の給与は世間一般と比較すると高額です。

「給料が少なくて辞めた」

そんなことを思う人もいるかもしれません。しかし、世間一般は看護師よりももっと少ないです。

特別なスキルがあって、高額な給与をもらっている人を除けば看護師より高いという人はほとんどいません。

これが看護師に復帰をする一番多い理由です。

看護師のスキルしかない

ふたつ目は「自分にできる事を考えたら看護師だった」です。

何か手に資格や技術を持たない限り中途で最初から正社員として就職することは非常に難しいです。

もし正社員として就職できたとしても未経験の中途で入社をしたら辛い思いをします。

自分より年下に顎で使われ、周囲からは「その年齢まで何をしてたんだか」と呆れられ…看護師生活以上に辛い思いをします。

そして、あなたはその時に思うのです。

「自分には看護師しかない」と。
だから8割もの元看護師が復帰を目指すのです。

ここで復帰を果たした「玲さん(32歳)」さんのお話を紹介します。

もしも退職を考えているなら参考になるので、是非ご覧ください。

新卒で入職した人手不足の急性期病院

暗い病院

新卒で東京の民間病院に就職。
看護学生時代から「続けられるか不安」を感じていながらも晴れて看護師に。

しかし、待っていたのは苦しみだけでした。
月8回の準夜と夜勤で不規則な生活、急患や急変で休憩なしで16時間の勤務をしたこともあります。 そして何よりも人手不足の病院の人間関係は生き地獄のような日々でした。

忙しさよりもきつかったのは人間関係です。
プリセプターからの説教に加え、看護師長に相談してもまともに話を聞いてくれません。

仕事が終わって帰宅すると毎日泣いてばかりいました。

辛い、辞めたいの繰り返し。
よく患者さんから「顔色悪いけど大丈夫?」と逆に心配されていました。

そのことも私にとっては非常に辛いことでした。

4年目の11月に退職

辛い中でもなんとか仕事は続けていました。
もう辞めようと何百回も思っていましたが、そのたびに「もう少しだけ頑張ろう」と自分自身に言い聞かせて続けていました。

しかし、精神は限界にきていました。
そして先輩のミスをなすりつけられた日に辞めることを決意しました。

新人時代から約3年。
一向に変わらない労働環境、1年で半分近くの同期が辞めた人間関係、そしてプリセプターだった先輩からなおも続く嫌がらせ。

全てが嫌になり退職をしました。

正社員で雇ってもらえない

当時、私は27歳でした。
ハローワークで事務の求人を探し職を探しますが全くといっていいほど数がありません。

試験を受けても面接にすら進めませんでした。
ゆっくりと就活をしていたので、毎月のように貯金が減り続けます。

焦った私はまずは収入を作ろうとアルバイトを始めました。
正社員の仕事が無くても当時の私は「絶対に看護師の仕事はしたくない」と思っていました。

15万円以上も少ないバイトの給料

アルバイト

アルバイトは色々とやりました。
コンビニのレジ、倉庫の検品作業、居酒屋の店員、雑貨屋の梱包をやりました。

どれも生活は苦しかったです。
看護師を辞める前は30万円近い給料がありました。

それがアルバイトになってからは月15万円弱。
掛け持ちもしましたが、一人暮らしの私は家賃と生活費で全てなくなりました。

好きな物を買う余裕はなく生活はきつかったです。
洋服が好きでしたが、看護師を辞めてからは一切買わなくなりました。

名前で呼ばれない

アルバイトはキツイため派遣に登録をしました。
いきなり正社員で雇ってくれる会社がなく、派遣から正社員を目指したのです。

待っていたのは派遣さんという名前でした。
ある精密機器を販売する会社に事務として派遣されました。

派遣で働くと分かりますが、社員の人からは下にみられます。
中には名前で呼ばずに「そこの派遣さん」という言われ方をしました。

事務仕事などやったこともなく、パソコンもろくに使えません。
メールは使ったこともありましたし、インシデントレポートなどはワードだったので多少は使えると思ってました。

でも、一般企業のレベルは全く違いました。
エクセルで関数を使うとか私にはチンプンカンプン。

「看護師ってパソコンは全然使えないんだね。病院では使わないの?今の時代、これぐらいは大学生でも分かるよ」

今まで看護師として働いてきた私には非常に辛い体験でした。

正社員で待っていた現実

事務仕事

アルバイトや派遣をしながらも正社員の道はずっと目指していました。

すでに20社以上を受けていた私はかなり凹んでました。
それでも、休日はハローワークで求人を探し、良さそうな求人があったら応募をしていました。

看護師を辞めて9ヶ月が経過。
ようやく1つの会社から内定がでました。

仕事は社員5名の印刷会社の事務職でした。
仕事内容は事務というよりは雑用全般を担当しました。

お茶出し、書類整理、スケジュールの管理…2年働きましたが給料は最初から1円も上がりませんでした。

28歳で給料21万円。
大卒新人と同等程度の給料でしかも全くあがる気配なし。
そもそも自分に看護師以外のスキルが一切ないことに気づきました。

いつしかあれほど嫌だった看護師に戻りたいと思うようになっていました。

復帰を決めて

看護師に復帰を決意したものの復帰までの道のりは非常に厳しかったです。

もしも看護師だからと楽に復帰できると思っているなら、あなたの考えは甘いと言いたいです。

看護師は就職に困らないというのは「選ばなければ」という枕詞がつくことは私は身を持って体験しました。

ブランクがあることが理由で書類選考で落とされ続けました。
ハローワークから12の病院・クリニックに応募しましたが、全て書類で落とされました。

そもそも良さそうな求人が無いのです。
ここは良さそうだと思っても受ける人は山のようにいます。

自分以外の希望者は現役の看護師。
当たり前ですが、私のようなブランク看護師より、現役でバリバリ働いている看護師の方が採用する側は欲しいはずです。

この時点で書類選考は不利でした。

「もしもブランクがなければ面接ぐらいは通っていたのに…」

残念ながらこの度は不採用とさせて頂きました。
今後の活躍をお祈り申し上げます。

このようなメールが来るたびに看護師を辞めたことを後悔しました。

書類選考で通っても面接で落ちる

履歴書

書類選考を通過すると今度は面接の壁があります。
人気がない病院になると”とりあえず会ってみるか”ということで4つの病院に面接に行きました。

そこで待ち受けていたのは凄まじい質問の数々です。

「なぜブランクがあるのですか?辞めていた期間は何をしていましたか?」
「人間関係に悩み辞めました。アルバイトや派遣をしていました。」
「どのような人間関係ですか?」
「先輩看護師と上手くコミュニケーションが取れませんでした。」
「どんなことがありましたか?」
「えっと・・・(本音を言ったら落とされそうだし)」
その後はパニックです。

「なぜ看護師への復帰を目指しているのですか?」
「やっぱり看護師の仕事が好きだと感じました。」
「どんなところに?」
「患者さんからお礼を言われたときなどです。」
「他の仕事でも感謝されることはありませんでしたか?」
「確かにありましたが…」
言っていることが支離滅裂で撃沈。

一度辞めた看護師に対して面接官は非常に敏感です。
結婚をして辞めた看護師なら、それを言い訳にもできるかもしれません。

しかし、これといって理由のない状態でやめると面接で痛い目をみます。
どうやったら受けるのだろうか?という毎日が続きました。

藁にもすがる思いで頼った人材紹介会社

私は藁にもすがる思いで看護学校時代の友人に相談をしました。
そこで言われたのが紹介会社の存在でした。

「人材紹介を使ってみれば?」

存在自体は知っていましたが、何となく使う気にはなれなかったのです。
このまま自体が好転するとは思えず、藁にもすがる思いで登録をしました。

そこで待っていたのは希望でした。

飯田さんとの出会い

人材紹介会社は「ナースフル」というサイトです。
に登録をすると「まずは会って話を聞きたい」と言われました。

休日を利用して新橋の会社へ行きました。
そこで待っていたのは30代後半の仕事ができそうな女性でした。

飯田さんは私の悩みや不安を上手く会話の中で聞き出してくれました。

  • どんな仕事をしてきたのか?
  • 病院はどこだったのか?
  • なぜ看護師を辞めたのか?
  • 復帰したい理由は?
  • どんな職場がいいのか?
  • 給料はどれぐらいを目指しているか?

など会話の中から上手く引き出してくれました。

私と同じように過去に復帰した看護師の話を交えて…

「大丈夫。必ず復帰できるから。」

この言葉を言われたときに私は思わず涙がでました。
この人を信じてみようと全面的に信頼することができました。

数々のアドバイスとコツ

その後は全面的なサポートの元で就活が始まりました。

求人先の選び方から始まり、就活の方法まで全てレクチャしてくれました。

  • 復帰ができる病院と復帰ができない病院
  • 面接まで進める病院と進めない病院
  • 復帰のサポートが手厚い病院
  • 私にあっている病院
  • 人間関係がよくて面倒見の良い病院
  • 履歴書と職務経歴書の書き方
  • 面接の質問内容と受け答え方

紹介された求人先は全部で5つ。
その中から3つの病院の選考を受けて、1つから内定をもらえました。

しかも私が一番良いと思っていた病院で、内定をきいたときには涙がでました。
電話越しで飯田さんも泣いているのが分かりました。

この方を頼って本当に良かったと思いました。

復帰してから1年

病院の廊下

看護師に復帰してもうすぐ1年が経ちます。
最初は確かに大変でしたが、フォローをしてくれる病院だったので大変でしたが辛いとは思いませんでした。

新人ではありませんでしたが、フォローする先輩を一人つけてくれました。
その方も実はブランクから復帰をした先輩でした。

実は師長から「あなたと同じ経験をした人をつけるからうちの病院で頑張ってみない?」と言われていたのです。

その先輩は何でも相談をできる人でした。
もっと正しく言うと私が相談をする前に先回りして「○○に困っていない?」と声をかけてくれる人でした。

最初にそんな言葉をかけられたときは私は仕事中にも関わらず涙がでそうなぐらい嬉しかったのを覚えています。

仕事内容よりも大切なこと

今の病院では「ありがとうカード」というものがあります。

「ありがとう」と思うことをされたら、感謝を書いたカードを相手のナースに渡すのです。

厳密にはホワイトボードにペタッと貼るのですが、ありがとうが貯まると看護師長からお菓子がもらえます。

結局はスタッフ皆で食べてますが、今の病院には協力しあう風土があります。

新人のときには小児科で働きたいとか思うこともありました。
でも、今思うことは何をするかよりも、誰と一緒に働くか?が大事だということです。

看護師の仕事は確かに大変です。
今も夜勤の急変時には辛いですし、ナースコールが鳴り止まない日もあります。

でも、相談ができる相手がいて、協力しあえる環境なら誰でも乗り越えていけると思うのです。

辞める前にできることがあった

今、振り返ると看護師を辞める前に職場を変えれば良かったと思います。

当時は「看護師なんてどこに行っても同じ」とばかり思っていました。でも、実際は違います。

しっかり探せば良い職場は必ずあるし、どこも同じなんて職場環境の改善をしない病院の言い訳です。

私もそうでしたが「辞めたい病」のときには全てを投げ出したくなっちゃいます。

そして全てを投げ出して看護師をやめると状況は更に悪化。
結局は逃げてしまうと良くなることはないんだなと私は思います。

逃げるなら今の職場を逃げれば良いと思うんです。
それは逃げでもないし、正しい選択だと思います。

「看護師を辞めたい」

そんな風に思っているならすぐに辞めるんじゃなくまずは誰かに相談してみると良いと思います。

私のように良い職場はみつかる人は多いはずです。
ちなみに私が使った飯田さんのいる人材紹介会社は「ナースフル」というところ。

聞けばリクルートが母体になっているらしく、何となく納得した対応でした。飯田さんは猛烈社員という感じでしたが、他の社員もすごいそうです。

とにかく何かしらの悩みを抱えているなら相談してみると良いと思います。看護師なら利用は無料ですし、何よりも同じ境遇の看護師の求職サポートをしているから様々なノウハウを知ってます。

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