看護師の状況別の解雇

解雇と一言でいっても、

  • 正職員の解雇通告
  • 派遣社員の契約解除
  • 看護学生の内定取消
  • 試用期間中

など様々な状況があるでしょう。ここでは状況別に解雇・取り消し・契約解除への対処方法を説明いたします。

  1. 正職員(看護師・准看護師)
  2. 派遣看護師
  3. 看護学生
  4. 試用期間中の看護師

ただし、解雇されても仕方がないという看護師さんは転職先を探すことが先決です。

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正職員が解雇されたときの対処法

不当な解雇を宣告された看護師さんで病院と対峙したいのであれば以下の流れで対処をする必要があります。

解雇の対処ステップ

まず、解雇に関わる書類に署名や捺印を求められた場合でも直ぐに記入しないようにしてください。後から不利になることもあるので、まずは専門家への相談がベストです。

図ではすぐにできることをステップ1~3にしましたが、知っている専門家がいるなら相談を先にすると良いです

就業規則の確認と入手

労働基準法では10人以上の常勤雇用がいる場合は、就業規則の作成を義務付けています。

労働基準法 第89条(解雇の項目を抜粋)
常時十人以上の労働者を使用する使用者は、次に掲げる事項について就業規則を作成し、行政官庁に届け出なければならない。次に掲げる事項を変更した場合においても、同様とする。
3.退職に関する事項(解雇の事由を含む。)

作成を義務づけるだけでなく、周知し誰でも確認が出来るように院内の掲示板等に公開しておくこともあわせて義務づけています。

まずは一番すぐに手に入る就業規則を入手しましょう。なぜなら就業規則に解雇にされる場合のケースが記載されているからです。

解雇日と解雇理由の確認

病院側が解雇を言い渡すということは理由があります。この解雇をする理由は労働基準法第16条において客観的にみて合理的な理由がなければならないとされています。

労働基準法 第16条(解雇)
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。

解雇の合理的理由とは?

解雇における合理的理由を判断することは専門家でないと難しい部分があります。勤務態度や職務不適格においては、段階を踏んでいる必要があるとされています。

例えば、勤務態度においては改善の機会を与えられているかや不適格においては教育の機会を作ったかなどです。

尚、病院の経営状況により解雇をする場合には「人員削減の必要性」「解雇回避の努力」「解雇職員の選定基準の合理性」「職員への事前説明と協議」の4条件を満たす必要があるとされています。

解雇理由証明書の請求

解雇となった理由を書面にしてもらいます。就業規則のどの部分に該当して解雇になるのかを入手した就業規則に照らし合わせて確認をします。

この解雇理由証明書はすぐに発行してもらって下さい。後から専門家に相談して作成されるケースもあるので、直ぐに請求する必要があります。

尚、労基法において請求を遅延なく交付しなければならないとされています。

労働基準法 第22条(退職時等の証明)
1.労働者が、退職の場合において、使用期間、業務の種類、その事業における地位、賃金又は退職の事由(退職の事由が解雇の場合にあっては、その理由を含む。)について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。
2.労働者が、第20条第1項の解雇の予告がされた日から退職の日までの間において、当該解雇の理由について証明書を請求した場合においては、使用者は、遅滞なくこれを交付しなければならない。ただし、解雇の予告がされた日以後に労働者が当該解雇以外の事由により退職した場合においては、使用者は、当該退職の日以後、これを交付することを要しない。
3.前2項の証明書には、労働者の請求しない事項を記入してはならない。
4.使用者は、あらかじめ第三者と謀り、労働者の就業を妨げることを目的として、労働者の国籍、信条、社会的身分若しくは労働組合運動に関する通信をし、又は第1項及び第2項の証明書に秘密の記号を記入してはならない。

派遣看護師の契約解除

派遣看護師といえど契約を一方的に解除することはできません。ここでも”合理的理由”が必要になります。

逆をいえば合理的な理由さえあれば、6ヶ月の契約であっても病院側は法的に契約を解除することができます。また、派遣看護師自身も簡単には契約を解除することは出来ません。

では契約を解除できる合理的な理由とはなんでしょうか?

例えば、病院の経営状況ややむを得ない廃院、派遣看護師が犯罪を犯したなどが該当します。

ちなみに、病院側の事情でやむを得ず中途解除をしなくてはならない場合は、派遣看護師は相当の補償を請求できます。

看護師の派遣は「紹介予定派遣」です。紹介予定派遣では6ヶ月を超えての契約はできないため、その点も注意をしておく必要があります。

看護学生の内定取消

学生一人の力で病院相手に戦うことは非常に難しい面もあります。看護学校へ相談をするようにしましょう。

悪質な場合には病院名の公表もおこなわれます。

学校側から就職のバックアップをしてくれるところも多いです。

試用期間中の解雇

試用期間とは病院側が能力を見極めるために設定をしている期間です。一般的な病院であれば14日~30日(1ヶ月)になっています。

労働基準法 第21条(解雇の予告2)
前条の規定は、左の各号の一に該当する労働者については適用しない。但し、第1号に該当する者が1箇月を超えて引き続き使用されるに至つた場合、第2号若しくは第3号に該当する者が所定の期間を超えて引き続き使用されるに至った場合又は第4号に該当する者が14日を超えて引き続き使用されるに至つた場合においては、この限りでない。
1.日日雇い入れられる者
2.2箇月以内の期間を定めて使用される者
3.季節的業務に4箇月以内の期間を定めて使用さる者
4.試の使用期間中の者

つまり試用期間中であれば、解雇予告不要で解雇をすることが出来ます。この場合も合理的な理由が必要といえるでしょう。

過去の判例でいえば3回以上の無断欠勤や経歴詐称が挙げられます。能力を理由にした解雇は新卒の新人看護師には適用されないといえます。

解雇をされたときは専門家へ相談がベスト

何よりも重要なのが専門家への相談です。
相談場所としては労働基準監督署や労働局になります。

各都道府県の労働局には無料の相談窓口があるため今日にでも行った方がいいです。

地域によっては電話でも出来るようですので「都道府県名 労働局 相談」で検索をすると見つかると思います。

見つからない方は厚生労働省の「総合労働相談コーナー」のページから各都道府県をクリックしてお住まいの地域の労働局へ相談しましょう。

厚生労働省の相談ページ

上記のページから各都道府県のページをクリックすると労働相談ができる場所の連絡先が記載されています。

解雇に関わらず労働条件やいじめ、嫌がらせなど労働問題に関するあらゆる分野についての相談を、専門の相談員が面談あるいは電話で受け付けています。

都道府県によっては女性の相談員もいらっしゃいますので相談しやすいと思います。

尚、弁護士に相談をする看護師さんは解雇理由証明書を発行してもらいましょう。ただ、万全を期すならもらう前に相談した方が個人的には良いと思います。

弁護士への労働相談費用

弁護士に依頼をする場合には当然ながら費用が発生します。

看護師に関わらず労働相談の一般的費用は、着手金と報奨金が必要となります。

着手金
200,000~300,000円
報奨金
300,000~500,000円(賠償金の10%程度)

上記は一般的な平均額ですので、依頼をする弁護士事務所によってことなります。参考程度に留めておいてください。

弁護士への相談費用の相場については「日本弁護士連合会」のサイトに掲載されていますので参考にすると良いでしょう。

参考リンク:日本弁護士連合会「弁護士費用について」

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