新人看護師として働き始めたものの、「辞めたい」と思うことは決して珍しいことではありません。
そんなときに気になるのが、「まだ働いて期間も経っていないけど、引き継ぎって必要なの?」という疑問。
この記事では、新人看護師が退職する際の引き継ぎの必要性や注意点、実際の現場で起こりがちなトラブル、そして心身を守るための方法について解説します。
結論|新人でも基本的には引き継ぎが必要(法律ではなくモラルの問題)
看護師の引き継ぎは“信頼”と“安全”のために重要
医療現場では、患者さんの命に関わる情報共有が何よりも重要です。
そのため、業務の引き継ぎは新人・ベテランに関係なく基本的には必要です。
たとえ新人であっても、自分が担当していた患者さんの情報、業務の進捗、注意点などは正確に伝えることが求められます。
これは、残されたスタッフや患者さんにとって大切な信頼関係の一部でもあります。
「引き継ぐ内容」は人によって異なる
新人看護師の場合、まだ業務を独り立ちして行っていないことも多いため、引き継ぎの範囲は限定的なこともあります。
ただし、どんな業務でも自分が関わった以上、最低限の情報共有は必要です。
実際には「引き継ぎをさせてもらえない」こともある?

辞意を伝えたとたんに態度が変わるブラック職場も
看護の現場に限らずですが、退職を申し出た瞬間から冷たい対応に変わってしまうケースもあります。
業務を急に外されたり、周囲から距離を置かれたりするなど、引き継ぎをしたくてもできない環境になることも。
「引き継がないと辞められない」は間違い
法律的には、退職の意思を伝えてから2週間が経過すれば退職できます(民法627条)。
職場の都合で「迷惑をかけるな」「責任を果たせ」と引き留められても、あなたの退職の自由は守られています。
新人看護師が辞めるときにできる引き継ぎのコツ
1. 簡潔なメモを残す
関わった業務の内容や患者情報、未完了の業務などを簡潔にまとめたメモを残しましょう。
紙でもLINEでも、職場文化に沿った方法でOKです。
2. 感謝と謝意の姿勢を忘れずに
業務を完璧に引き継げなくても、「力不足で申し訳ありません」「ありがとうございました」といった一言があるだけで印象は大きく変わります。
引き継ぎができない・させてもらえないときの対処法

話し合いもできないなら、第三者のサポートを検討
上司に退職を伝えられない、または聞き入れてもらえない場合は、退職代行など第三者のサポートを利用するのもひとつの方法です。
退職代行の中には、看護師の事情に理解のあるサービスも存在します。
引き継ぎの件についても、あなたの代わりに丁寧に伝えてくれるケースもあります。
迷惑をかけない辞め方が理想ですが、それよりもまず、自分の心身の健康を守ることが何より大切です。
引き継ぎは大切。でもあなた自身が最優先
新人看護師でも、可能な範囲で引き継ぎを行うことは社会人としてのマナーです。
しかし、職場環境や人間関係によっては、それが難しい場合もあります。
大切なのは、「できる限りの誠意を見せたうえで、自分を守る」ということ。
どうしても苦しい場合は、一人で抱え込まず、外部の支援を利用することも検討してください。
あなたの決断が、次のステップへの第一歩となりますように。