「お局様が怖い」「仕事に行きたくない」と感じているあなたへ
「朝が来るのが怖い」「あの人に会いたくない」
看護師として働く中で、そんな気持ちを抱えながら職場に向かっていませんか?
特に、看護師という職場は人間関係が密で、上下関係もはっきりしています。
その中で「お局様」と呼ばれる存在との関係に悩む人は少なくありません。
今回は、まさに“お局様との人間関係”が理由で退職を決めた看護師Aさんの体験談を紹介します。
もしあなたが今、限界を感じているなら、このお話が少しでも背中を押すきっかけになれば幸いです。
インタビュー|看護師Aさんが語る「お局様との毎日」

Q1. Aさん、まずは簡単な自己紹介をお願いします
Aさん:「都内の総合病院で働いていた看護師です。27歳、勤務は4年目でした。
内科病棟で夜勤も多く、責任も大きい仕事でした。人と関わることは好きだったのですが、ある先輩ナースとの関係だけはどうしても耐えられませんでした。」
Q2. お局様とは、どんな方でしたか?
Aさん:「40代後半の先輩ナースで、いわゆる“職場を仕切っている存在”でした。
管理職ではないのに指示が強く、皆がその人の機嫌をうかがっているような空気でした。
後輩には厳しく、機嫌で態度が変わるタイプ。
私のことは特に気に入らなかったみたいで、よくきつく当たられていました。」
「新人のころ、ミスしたわけでもないのに無視されたり、あからさまに嫌な顔をされたり。
職場全体がその人に従う空気で、誰も助けてくれないのが一番つらかったです。」
Q3. どんな人間関係の悩みがありましたか?

Aさん:「報告しても“それくらいで報告するな”と怒られ、しなければ“なぜ言わないの”と責められて…。
どうすればいいのか正解がわからなくなっていました。
他のスタッフも見て見ぬふりで、常に孤立しているように感じていました。」
「何をしても怒られるし、話しかけるだけでため息をつかれるような毎日。
笑顔を作って患者さんに接している自分がどんどん壊れていくようでした。」
Q4. 精神的にはどうでしたか?

Aさん:「毎朝吐き気がして、職場の最寄駅に近づくと涙が出るようになっていました。
電車の中で“降りたくない、戻りたい”と思う日が続きました。
“私がダメだからだ”と思い込んで、さらに自分を責めてしまって…完全に限界でした。」
「家でも眠れなくなり、気がついたら体重も減っていました。
友人にも相談できず、職場のことを考えるだけで手が震えるようになってしまって……。
今思えば、あの時が心身ともに崩れていたサインだったと思います。」
Q5. どうやって退職を決めたのですか?
Aさん:「ある日、同期に“辞めるのは悪いことじゃない”って言われたのがきっかけでした。
最初は“逃げになるんじゃないか”と悩んだけど、『壊れる前に逃げるのは立派な判断だよ』と言ってもらえて、やっと踏み出せました。」
「実は退職代行も少し考えました。
直接言うのが怖かったからです。
でも、直属の上司にメールで思いを伝えたら、予想以上に理解してくれて…。
拍子抜けするくらいあっさり受理されました。」
「辞めたあとは、罪悪感よりも、何より“解放感”が大きかったです。」
Q6. 今はどんな働き方をしていますか?
Aさん:「今は訪問看護の仕事をしています。
人間関係も落ち着いていて、心から“看護が好き”と思えるようになりました。
チームの人数も少なくて、意見が言いやすく、ギスギスした雰囲気もありません。」
「前職では“怖がられないように”とか“怒られないように”という感情で働いていましたが、今は“目の前の患者さんのために”という当たり前のことを純粋に考えられるようになりました。」
Q7. 同じように悩んでいる看護師さんに一言お願いします
Aさん:「人間関係のストレスで辞めたくなるのは、弱さじゃありません。
むしろ、壊れる前に行動するのは“強さ”だと思います。
逃げる=守る、です。」
「“お局様がいるから辞めたい”って誰かに言うのは勇気がいりますよね。
でも、自分を守るために職場を変えるのは、悪いことではありません。
むしろ自分を大切にしてあげられる選択です。
無理して頑張りすぎないでください。」
辞めることは甘えじゃない。未来は変えられる
看護師の世界では、どうしても上下関係が強く、お局様のような存在が職場の空気を支配してしまうことがあります。
でも、その関係性の中で自分を責めたり、無理をして心や体を壊してしまっては本末転倒です。
Aさんのように、勇気を出して環境を変えることで、「看護が好き」という本来の気持ちを取り戻せることもあります。
辞めることは、決して“甘え”ではありません。
むしろ、今の自分を守るための前向きな決断です。
職場は一つではありません。あなたにとって“安心して働ける場所”は、きっとどこかにあります。
今つらいと感じているなら、どうか自分を責めず、一歩を踏み出す準備を始めてみてください。