看護師をたった3ヶ月で辞めた私の本音|“甘え”じゃなく限界でした

「3ヶ月で辞めるなんて…」と悩んでいるあなたへ

「もう辞めたい……でも3ヶ月で辞めたら“甘え”だと思われるかも」
そんなふうに自分を責めながら働いていませんか?

看護師は命を預かる仕事だからこそ、精神的にも肉体的にも過酷です。
新人であっても、たった数ヶ月で「限界」を迎えてしまうのは珍しいことではありません。

今回は、入職からたった3ヶ月で退職を決意した看護師・Aさんの体験談をインタビュー形式でご紹介します。
悩んでいる方にとって、一歩踏み出すヒントになれば幸いです。

インタビュー|Aさんが語る「看護師を辞めた理由」

Q1. Aさん、まずは簡単な自己紹介をお願いします

Aさん:「25歳女性です。大学卒業後に看護師国家試験に合格し、都内の急性期病院に就職しました。
配属は外科系病棟で、日勤・夜勤ともに担当していました。
学生時代から“人の役に立ちたい”という気持ちで看護師を目指してきたので、やっと夢が叶ったという思いもありました。」

実習のときから病棟の雰囲気には少し違和感があったのですが、“働けばきっと変わるだろう”と期待していたんです。
でも、現実は全く違っていました。」

Q2. 入職してから3ヶ月間、どんな毎日でしたか?

Aさん:「とにかく余裕がありませんでした。
先輩たちの動きについていけず、申し送りもうまくできない。
毎日“怒られないように”とビクビクしながら働いていました。
初めての夜勤では、緊張で吐きそうになりながら、1秒たりとも座れませんでした。」

教育係の先輩は“厳しく指導する”タイプで、たとえばカルテの記載ミスがあると、『こんなレベルで現場に出ていいと思ってるの?』と、周囲にも聞こえる声で言われたこともあります。
反省はしていたのに、あまりにも否定的な言葉ばかりが続くと、自信が削られていく感じがしました。」

「看護師って、知識や技術だけじゃなくて、精神力もすごく問われる職業だと痛感しました。
帰宅しても、先輩の顔や言葉が頭から離れず、食事も喉を通らない日が増えていきました。

Q3. 退職を意識し始めたのはいつ?どんなきっかけ?

Aさん:「2ヶ月目の終わりごろから、“もう限界かも”と思い始めました。
夜も眠れなくなって、常に胃が痛くて、仕事のことばかり考えてしまう。
好きだった趣味も楽しめなくなって、“私、壊れるかも”と感じたのが決定打でした。」

「何度も“せめて半年”“せめて1年”と自分に言い聞かせました。
でも、そのたびに体が悲鳴を上げている感覚があって、ベッドに入ると自然と涙が出てくる。
あのときの私は、“なんとかして頑張る”ではなく、“もう頑張れない”状態だったと思います。

Q4. 「甘えかも」と悩んだ瞬間と、それでも辞めた理由

Aさん:「周囲の同期が頑張っているのを見て、『自分だけが弱いんじゃないか』『もう少し頑張れば慣れるのかも』と考えていました。
でも、体と心がついていかなかったんです。」

「母親にも相談しましたが、『もう辞めてもいいと思うよ』と言われて、少し安心しました。
最終的には、“続ける方が自分を壊す”と判断して退職を決めました。

「“辞めたい”って言葉にするのは、本当に勇気がいりました。
でも、言ったあとにすごく救われた気持ちになって、心の重みがふっと軽くなったのを覚えています。」

Q5. 退職後の気持ちはどう変化しましたか?

Aさん:「すごくホッとしました。
『また明日も病院に行かなくていいんだ』と思うだけで、体が軽くなった気がしました。
辞めたことに罪悪感もありましたが、それ以上に『自分の命を守れた』という感覚が強かったです。

「不思議と退職してから1週間くらいで体調も回復して、食欲も戻りました。
今までの緊張とストレスがどれだけ積み重なっていたのかを実感しました。」

「その後は少しゆっくりして、自分と向き合う時間をとることができました。
“自分の人生を生きよう”と初めて思えた気がします。

「3ヶ月で辞めたこと」をどう思う?Aさんの本音

・後悔していることはある?

Aさん:「後悔はありません。もちろん、続けていれば成長できたこともあったと思いますが、あのまま続けていたら本当に倒れていたかもしれない。
そう考えると、“正しい選択だった”と思えます。

・辞めなかった場合、どうなっていたと思う?

Aさん:「たぶん、精神的に病んでいたと思います。通院していたかもしれません。
朝起きるたびに涙が出るような生活が続いていたので…。
そして看護師という仕事自体を嫌いになっていたかもしれません。」

・これから看護師を続ける予定は?

Aさん:「少し休んだあと、今はクリニックでパート勤務をしています。
病棟とは違って落ち着いた環境で、少しずつ“また看護が好きかも”と思えるようになってきました。
無理なく働ける場所を選ぶことって、本当に大事なんだと痛感しています。

看護師が「3ヶ月で辞めたい」と感じたときのチェックリスト

身体に不調が出ていないか

→ 胃痛、不眠、過食・拒食など

仕事の夢を見て眠れない夜が続いていないか

→ 精神的な限界のサインです

相談できる相手がひとりでもいるか

→ 家族、友人、同期、誰でも構いません

「辞めたい理由」が“わがまま”ではないと自分で思えるか

→ 明確な理由があれば、それは甘えではありません

辞めてもいい。あなたの限界は、あなたにしかわからない

看護師を3ヶ月で辞める——それは決して恥ずかしいことではありません。

大切なのは「どれだけ続けたか」ではなく、「今の自分を守ることができたか」。

もし今あなたが、“もう限界かも”と感じているなら、自分の声に耳を傾けてあげてください。
Aさんのように環境を変えることで、再び前を向けるようになるかもしれません。

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